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2003/10/31  立ちあがれ、ちいさな溝から


10月最後の日は、つめたい朝がさわやかな青空をつれてきた。
利用者を連れだし、近くの公園まで散歩に行く。
桜の木が色づきはじめた。秋が、深まってゆく。
今週はずっとあの子がいたから、わたしはずっと笑っていられたし、
ひさしぶりに仕事が楽しいと思えた。
来年度、どちらかが転勤とかになったらどうしよう、と本気で不安だ。
職場へ行く楽しみがなくなったら、仕事の楽しみもなくなってしまう。




*
仕事のあと、家に着くとすぐに朝から用意していた洋服―鶴柄のカットソーにzuccaのグレーパンツとそでがふんわりとした黒いカーディガン―に着替え、新潟市へと向かった。
無印でカモミールティ―不眠によく効くと、本に書いてあった―、amingでピアスをふたつ買った。
ユナイテッドへ行き、レイトショーを観る。
「死ぬまでにしたい10のこと」
もうすぐ24歳になるアンとはまったく境遇が違うにもかかわらず、自分と重ねて観てしまった。
金曜日の夜にひとりで観るには、すこしせつなすぎた。
明日もわたしはひとり。






2003/10/30  前夜祭


自分の顔は、はっきり言って好きじゃない。
気に入っているのは、描く必要のない眉と、他の人よりすこしだけ長い睫毛くらいだ。
だけど、あの子はわたしのことを1度だけ、かわいいと言ってくれた。
お世辞かもしれない、
ただの思い込みだったのかもしれない。


わたしはあのときものすごくうれしいと感じたことを、きっとずっと、忘れることはできないと思う。
たとえあの子がもうすでに、忘れて、あるいは捨ててしまっているとしても。




*
最近のわたしは、わりと安定している。
ものすごく楽しいこともないけれど、とりたてて苦しいこともない。
今週も来週も、あの子がいる。
あの子がいれば、仕事なんてちっともつらくない。
あと1日がんばれば、1日だけのおやすみ。
だから、今日は前夜祭。






2003/10/29  女とは、


女ってやっぱり、友達よりも男を優先する生き物なんだろうな。
わたしは友達であれ恋人であれ、先に約束したほうを優先するようにしてる。
よっぽど忙しくて会えないとか、遠恋とかじゃない限り、自分を優先しろなんていう男は、わたしはいや。
こういうことって人それぞれの価値観によるものだろうし、理解できなくもないけれど、
それでも納得できないときも多々あったりするのだ。





2003/10/28 guilty


1日じゅう、つよい風が窓をがたがたと鳴らし、
選挙の車が絶え間なく走りまわる。


からっぽになる。


早朝に届いたメールには、返事を打つことができなかった。
わたしは、つみびと。


なんだかんだいっても、誰かに好かれることに悪い気はしない。
自分の存在意義について認識できるのは、そのときくらいなのだから。




*
「Brister!」
フィギュアマニアの男の子の話。
ユウジまでいかないにしても周りの人に理解されないような収集癖を持ってる人って意外に多いから、ちょっとだけ親近感を持ちながら観た。





2003/10/26  入口


昨日は、FPMのイベントに行ってきた。
prahaには11時半くらいに行ったのだけど、うしろからおっきい人が入ってきたなーと思ったら、田中さんだった。
(8月のイベントに続き、こういう偶然にとても嬉しくなった)
田中さんが出てきた1時ころには、ノースリーブでも汗をかいてしまうほどの熱気につつまれていて、いつもはあまり踊らないわたしもついつい、のせられてしまった。


今日は午後からまどかちゃんと待ち合わせ。
12月に行く予定の温泉旅行の相談をしてから、伊勢丹を見てまわった。
小腹がすいたところで、カフェコムサでさつまいものタルトを食べた。
お互いの仕事のこと、恋人のこと、いろんな話をしながら。


週末は充実しすぎていたので身体的にちょっとおつかれで、
でも心のほうはけっこう満たされていたりもして、
そういうのってちょっとうれしい。
日曜の夜は、トンネルの入口。
今日は、はやめに眠ろうと思う。






2003/10/25  霧中


あの子が、ヴィツ子の助手席に乗る。
今回の体育部反省会は、森林公園のバンガローでバーベキューと鍋パーティ。
だけど生憎わたしは遅番で、あの子は互助会の関係で上司と飲みだったので、ふたりで遅れていくこととなったのだ。
山奥までの、30分のドライヴ。
ちいさなヴィツ子のなかで、背の高いあの子は窮屈そうに座っていた。
煙草が吸えないのを必死でがまんしながら。


真っ暗な山道を、奥へ奥へと進んでいく。
いつもより数段慎重な運転をしていたら、あの子は誉めてくれた。


あたたかなバンガローのなかで、先にはじめていた8人はすでにできあがっていて、
それに追いつくべくビールやワインをたくさん飲んだ。
笑い声の絶えない、あかるい夜だった。


朝7時に起きて外へ出ると、ひんやりとした空気のなかに美しく紅葉した山々が広がっていた。
昨日来たときは真っ暗だったので、紅葉なんてわからなかったのだ。
ドアを開け放ってふたたび談笑し、今日勤務のあるひとたちを見送ってからあとかたづけをした。


帰りの車のなかで、あの子がとても眠そうな顔をしていたので、
寝てもいいよ、と声をかける。
やさしいでしょう、とわたしが言うと、あの子はいつもの憎まれ口でわたしをからかう。
それからあの子のすうすうという寝息が聞こえるまで、そう時間はかからなかった。
パーカのフードをかぶって、ちいさなこどもみたいな顔であの子が眠る。
あの子が、ヴィツ子の助手席に乗った。
きっと、これが最初で最後になるのだろう。






2003/10/23  雨の「休」日


日本シリーズのせいで、マンハッタンラブストーリーが遅れに遅れている。
23:50からだなんて、ありえない。
プロ野球なんてきらいだ。


一日雨が降っていて、昼間もどんよりと暗く、寒々しい日だった。
時折その雨は滝のように地面を叩きつけ、TVの音をも消した。
つめたくて、ぼんやりとした休日。


*


昨日のはとりけし。
クリスマスコフレ、やっぱり欲しい。
ランコムのジューシーバー、シャネルの口紅とネイル、エスティローダーのグロス。
きらきらしたものが大好き。
わたしも、できることならきらきらしていたい。
みんなに見えるものでなくても、だれかが、わたしが望むごく少数の人たちが、認めてくれるような。
そんな小さくつよい輝きを持つ女の子になれたらいい。






2003/10/22  ア・ラ・カルト


土曜日にあるFPMのイベントに備えて、ヴィツ子のなかでzooをかけた。
BPでそのチケットを買ってから、ワーナーへ行って映画を観た。
「恋は邪魔者」。
レニー扮するバーバラと彼女の着ているお洋服やインテリアがあまりにもかわいすぎて、ストーリーは二の次だった。
(結構意外な展開の、気持ちのよいラヴ・ストーリーだった)


しばらく、お洋服は買いません。
って、宣言しないとだめっぽいから。飲みの予定もあったりするし、来月は温泉も行くかもしれないし。
今日も万代には行ったけれど、ツモリもzuccaも遠くから眺めただけでお店には足を踏み入れなかった。
(ツモリのドットシリーズはあとかたもなかった)
財政難脱出のために、がまんの子なのです。


と言いつつ、今年もまた、クリスマスコフレの季節がやってきます。
今年は今のところ、ひかれるものがないのだけれど、来月発売のピエヌの新色(限定でもなんでもない)がものすごーくかわいくて、アイカラーもグロスもリップもマスカラもぜんぶ揃えたいくらい。
結局、散財の予感です。





2003/10/20  交差する


昨日は仕事のあとボウリングへ行った。
メンバーは、このあいだミッシェルを見に行ったひとたちで、川口くんとその同僚だ。
3ゲームを投げたあと、日付をまたいで駅南の暖というお店で飲んだ。
仕事が行事でいつもよりはやく出勤したこともあり、わたしはすぐに酔っ払ってしまい、2軒目の焼き鳥屋ではわたしとしたことが、生グレープフルーツハイを1杯飲みきることもできなかった。
川口くんのアパートで、みんなで仮眠を取った。
朝方、目を覚ますと川口くんとヨコヤマさん―この子だけは、今日はじめて会った3つ年下の女の子だ―の話している声が聞こえる。
その内容を聞いて、正直驚いたし、動揺した。
だけど、わたしはずっと目を閉じて、寝たふりをしていた。
あとで川口くんからきたメールには、2人の男の子のアドレスがあった。
わたしはまだ、それらのアドレスにメールを送る決心がつかない。


*


仕事は2時間だけ年休をもらった。
だから10時半に出勤すればいい。
それなのに、20分前には到着した、それは、あの子のせいだ。
1日、すごく楽しかった。あの子といっしょだったから。
月曜日は午前も午後も作業があるし、ひるやすみも週末のお泊まり飲み会の打ち合わせだとかで内線で呼び出された。
あの子といるとわたしは、笑ってばかりいる。
きっと、ほかの職員にも気づかれているだろうし、それをあやしんだりする人もいるかもしれない。
だけど、それでもいい。
単にわたしはあの子を、あくまで職場仲間として、好きなのだから。
ただそれだけだから、別になにを言われてもいいと思うのだ。






2003/10/18  アイム・ア・チャイルド


ロータスと名のつけられた柄のスカートは、とても気に入っている。
シフォンがふんだんに使われているので、歩くたびに風をはらんでふわりと揺れるのだ。
見ているだけでしあわせになれるし、履くだけで女の子になれるとてもすてきなスカートだ。
今日はそのスカートに、クリーニングから戻ってきたばかりのSINDEEのニットと、アンティローザの古着のブーツをあわせる。
母と、古町へ行った。
アフタヌーンティーでパスタのお昼ごはんを食べてから、ビーズアーティスト展―母が見たいと言ったもので、今日はこのために古町へ来たのだ―を見て、そのあと三越をくるくると見てまわった。
整然と並ぶブーツたちの品定めをしたり、ツモリのバッグを鏡の前であわせてみたりした。
スタバでコーヒーを飲み、ジョアンで明日食べるためのパンを買って帰った。
母と一緒にお出かけするのは好き。
母の前では、わたしは子どもでいることを許される。
子ども扱いされるのは、それほどきらいではない。






2003/10/17  花の金曜日


晴れた日の朝は、ひどくひんやりしている。
ひどくひんやりした朝がつれてくる秋晴れの空は、妙に澄んでいる。
悲しいほどに、明るく、そしてつめたく目に映る。
日勤の日は、他のひとたちよりもすこしはやく出勤して、お茶を入れる。
どの湯呑がだれのものかはもう、完璧に把握している。
朝のお茶入れは独身の女の子がやる、それは暗黙の了解だ。
いつか結婚したら、毎日ぎりぎりに出勤してやろう、と、わたしはひそかに企んでいる。
とくに予定のない金曜日は、ビールを飲んで、木更津キャッツアイのビデオを見て、眠った。
まるで、冬眠のしかたをわすれていたくまのように、こんこんと眠った。






2003/10/16  奪われる時間


近所の歯医者にいるとき、わたしはたいてい仏頂面をしている。
虫歯を治すため、高校生のとき以来に通っているこの歯医者は待ち時間がとても長くて、予約した時間に行っても30分、ときには1時間近く待たされてしまうこともある。
だからわたしはいつも文庫本を持っていき待合室で読んでいる。


治療台に座っても、治療している時間よりも待っている時間のほうが圧倒的に長い。
診察室は寒々しくて、ほかの人が治療している音だけが静寂に割り込んでいる。
白いブラインドの隙間からみえる暗闇のなかを、車のライトがつぎつぎと通りすぎていくさまをぼんやりと見つめる。
待つのは嫌いだ。
結局5時半に行って終わったのは7時近く。
外は冬みたいに寒く、ブルゾンに顔をうずめながら小走りで帰途に着いた。


マンハッタン・ラブストーリーを待っている。
ラーメン食べたい。